1. HOME
  2. ブログ
  3. 9/10-14 南西諸島(徳之島、奄美大島)へ野生動物の調査に行ってきました

9/10-14 南西諸島(徳之島、奄美大島)へ野生動物の調査に行ってきました

2023年9月7日から10日に開催された日本哺乳類学会 100周年記念沖縄大会に参加してきました。学会終了後の9月10日から14日にかけて、徳之島、奄美大島に渡り、コウモリ類の音声調査とその他野生動物の調査を実施してきました。短期間でしたが、様々な動物たちと出会うことができたので、その一部を紹介します。

夜間に徳之島の林道で出会ったオビトカゲモドキ Goniurosaurus splendens 。世界中で徳之島のみに分布する固有種。種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されています。鹿児島県指定の天然記念物。当日、3個体を見つけることができました。

夜間に路上でじっとしていたアマミイシカワガエル Odorrana splendida 。日本一美しいカエルと称されることも。種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されています。鹿児島県指定の天然記念物。車に轢かれないかハラハラしましたが、無事、森の中に逃げていきました。

奄美大島にて。アマミノクロウサギ Pentalagus furnessi の交通事故を防ぐための電光掲示板。アマミノクロウサギは奄美大島と徳之島の2島にのみ分布する固有種。種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されています。国の特別天然記念物。2022年のクロウサギの死体確認は奄美大島で166件と過去最多。この内、交通事故によるものは107件だったとのこと。

夜間、コウモリ類の音声を録音するために海岸沿いの道路を車で走っていると、路上でうずくまっているクロウサギを発見。おそらく車に当て逃げされたのでしょう。すぐに保護しましたが瀕死の状態。残念ながら保護センターに運ぶ前に力尽きてしまいました。

翌日、奄美野生生物保護センターに死亡したクロウサギを運びました。交通事故に遭って死んでしまったクロウサギは国立科学博物館に送られ、標本として収蔵されるとのことです。

このように南西諸島では多くの固有種や希少種に出会える一方、人による野生動物への弊害が後を絶ちません。世界自然遺産に登録された現在でも状況はあまり変わっていないようです。このような現状を学んでもらうためにも、いつかは希望するゼミの学生たちを現地に連れて行けたらと考えています。

(環境科学専攻 野呂達哉)

関連記事