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8/19 朝明川源流域のブナ林でオゾン濃度と枯木調査を実施

環境情報学部の野呂・廣住・千葉研究室は四日市大学自然環境教育研究会と共同で、朝明川源流域伊勢谷のブナ林の保全活動と調査を実施しています。昨年度より、ブナの実生の獣害・虫害防止柵の設置、実生の成長調査、土壌調査、生物調査、植生調査などを行って来ましたが、2023年8月19日(土)にはオゾン測定器の設置と枯木調査を実施しました。

オゾンは光化学オキシダントの主成分で、名古屋などの都市圏や伊勢湾臨海の工場群などで発生した窒素酸化物などが紫外線の作用で生じるもので、植物の光合成回路に作用して、基礎生産を減少させると考えられています。関東では丹沢山塊のブナ林の立ち枯れの主原因として疑われています。

朝明川源流域のブナ林でも立ち枯れや枯木が目立っており、ブナ林の保全には原因解明と対策が必要です。鈴鹿山系でオゾンの計測は行われたことが無いため、三重県保健環境研究所の協力を得て、実施する運びとなりました。山頂付近(標高1050m)から山麓(標高約500m)までの4地点に、オゾンの測定器設置しました。

また、ブナ枯れの実態を把握するために、枯木の毎木調査を実施し、枯木の位置、枯木の直径と長さ、枯木の状態(普及レベル、4段階で判定)などを記録しました。9月初旬に第2回目のオゾン濃度とブナ枯れ調査を実施する予定です。

台風7号の影響か、風倒木が多く見られた。写真はミズナラの風倒木。この木はナラ枯れで以前から立ち枯れしていたものである。

オゾン測定器を設置する学生(レグミ アルジュン君、4年生)。
樹木の手前がオゾン測定器、右側奥は以前に設置した温湿度計。

ブナ枯れを記録する学生(水野和毅君、4年生)。立ち枯れしたブナの樹皮にびっしりとキノコが生えていた。

(環境科学専攻 千葉 賢)

 

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